このたびはご退任、誠におめでとうございます。
森尾先生のもとで日常的に直接のご指導を受けたことはありませんでしたが、初期研修医・内分泌グループの大学病棟医・大学院生(小児科ではなく学内の他の研究室へ出向)として大学に在籍していた期間のふとした時に、声をかけていただきました。そのどれもが鋭い切れ味であったことが印象的です。投げかけられるコンパクトな言葉の中に練りこまれたメッセージに応答するには、自分の思考を瞬時に最大限まで上げねばならず、いつも緊張感がありました。同時に、(私にとって)密度の高いコミュニケーションからは、気にかけていただけているという安心感のようなものもありました。
その後、諸般の事情により私は人生の転換点を迎えたのですが、その際に森尾先生とゆっくりとお話をさせていただく機会をいただきました。この時に交わした多岐にわたる話を通して、自らの新たな一歩を踏み出すにあたり抱えていた不安が整理され、なににどのように取り組むかを見出せたことは今も日々の支えになっています。森尾先生が、この若輩者を見守り、支援してくださったおかげで、今の私があります。どれだけ感謝してもしきれません。これからもお体に気をつけてご活躍ください。