森尾先生との出会い
森尾先生と初めてお会いしたのは、私が北海道大学医学部6年生の時です。卒業後は関東で研修をすることを考えていた私は、都内のいくつかの小児科を見学しました。当時森尾先生は東京医科歯科大学小児科の医局長をされていたため、見学の際に案内をして下さいました。医科歯科の小児科は専門性に富んでおり魅力を感じたのはもちろんなのですが、森尾先生の小児医療に対する真摯な姿勢、物腰柔らかなお人柄に触れ、それが入局の決め手になったといっても過言ではありません。
森尾先生との思い出
私が大学医員の時は、カンファでのプレゼンの際に鋭い指摘をよく受けましたが、私が重症の患者さんを受け持っていた時は、声をかけて励まして下さいました。2017年度からは助教として赴任し神経グループ長をしていたのですが、「若いグループ長を応援したい」と大変心強いお言葉を頂きました。時が経ち今では「神経グループのお母さんみたいだね」というお言葉を頂きます。時々旧姓の「片桐先生」と声をかけられることも、昔を思い出し懐かしい限りです。
森尾先生から学んだこと
森尾先生は「正五角形」の先生だと思っています。五角形のレーダーチャートに、physician、scientist、management、presentation、humanityなどの項目があるとして、通常は多少なりとも得意不得意があるため、正五角形にはならないと思うのですが、森尾先生はきれいな正五角形になると思います。そのくらい全てにおいて優れていらっしゃる先生で、それはたゆまぬ努力の賜物であるということも、陰ながら学ばせて頂いています。そしてとても視野の広い先生だと思います。お話していると何かしらの"気付き"を頂けることが多いです。
森尾先生への感謝の言葉
森尾先生は、神経グループ長としての私の立場を尊重して下さいながら、時に適切な助言をして下さいました。迷っている時は、「覚悟をもってやりなさい」と背中を押して下さいました。大船に乗ったつもりで安心して業務を行うことができ、何とかグループを牽引することができました。感謝の気持ちでいっぱいです。近くに森尾先生という支柱がいらっしゃらなくなることは寂しく不安に感じますが、今までの教えを心にきざみ、先生や医局に恩返しができるようこれからも尽力していきたいと思っています。