身内から一言
森丘千夏子先生より本原稿作成依頼をいただいた際、身内なのでお断りすべきかと迷いましたが、他人に話す機会もこれまであまりなかったと思い、お引き受けすることにしました。
学生時代は二人ともバドミントン部で私の方が1学年上でしたが、高校時代から正月休みと主要な試合直後以外は毎日バドミントンの練習の日々であった森尾からは、練習を休んだり、遅刻したりしてよく叱られました。大学入試で2期校があった時代、せっかく受験の機会があるならと本学を受験して歯学部に入学した私とは違い、森尾は医学部以外は全く考えていなかったようでした。ボーッと生きていられるならそれが一番幸せ、ボーッと生きていければそれに越したことはないと思っていた私は、病気で毎日、死を意識しながら生きている人たちに添いたいという言葉に衝撃を受けました。ツルゲーネフの小説の中に以下の一節があります。「Death is like a fisher who catches fish in his net and leaves them for a while in the water; the fish is still swimming but the net is round him, and the fisher will draw him up---when he thinks fit.」ボーッと生きてきた私ですが、森尾の側で暮らしてきたことで、ちょっとは毎日を有意義に過ごせてきたのかなと思い、感謝しています。
娘からも一言
私は小さい頃から、父が夜遅くまで働き、帰宅後も常に何かに取り組んでいる姿を見てきました。年を重ねるにつれて、父がいかに大変で責任のある仕事を任されてきたのかを実感するとともに、人のためを思って懸命に仕事に取り組む姿への憧れの気持ちが増していきました。そんな父からの影響も受けて、私も医療系のアカデミアの道を進むことになりましたが、父のように様々な国の人たちと共に未来の医療に貢献できる人間になることを目標に、日々精進したいと考えています。家庭思いの父でもあり、私は研究者、教員、家族として自慢できる父の娘であることを、心から幸せだと感じています。私達からすれば父の心身の健康が一番大事なので、これからは自身の健康にも気を配れる時間も確保して欲しいと思います。これからの人生も父にとって最高なものとなるよう、願っています。