森尾先生、このたびはご退任誠におめでとうございます。
私にとって、森尾先生は、2000年に本学小児科に入局した際の医局長でした。先生のような医師になりたいと小児科を、そして血液免疫グループを志した、まさに憧れの先輩です。
私の中での、先生との出会いは、医学部6年の時、卒業間近の入局オリエンテーションの場面だったと思います。当時、研修医の仕事はじめはゴールデンウイーク明けでしたが、それまでの間をどう過ごすかという話で、森尾先生は「(その間に、小児科の勉強をして)ロケットスタートを切るもよし、(しっかり遊んで)じっくり行くもよし」とのお話いただいたことが記憶に残っています。それまでの学生時代は短期的な結果を求められ続けていたので、社会人は違うんだということが驚きである一方で、これまでのように誰かが管理してくれるものではなく、自分の考え方ですべてが決まっていくんだと、医師人生の厳しさを最初に教えていただいたのが先生でした。(結局、私自身は、ロケットスタートを切ろうと本を買い込みはしたものの、案の定、じっくり派となってしまいましたが。)
その後、血液免疫グループでの活動、厚生労働省医系技官への進路転換、現職への復帰など、私にとっての節目節目で、先生は丁寧に相談にのっていただき、その都度、暖かく背中を押してくださいました。また、先生は厚生労働省等の公職を多数務めておられますので、私は、厚労省在職中に、度々仕事の相談もさせていただくことがありました。いつも、アカデミアと行政の双方の状況を踏まえたアドバイスをいただくことができ、大変勉強になりました。ありがとうございました。
医療政策の面では、急速に進む少子化に対応した小児医療提供体制の見直し、新型コロナを踏まえた予防接種政策など、引き続き、先生に舵をとっていただかなければならない課題が山積しています。今回は、ひとまずの節目だと思います。引き続きのご指導をよろしくお願いいたします。